【感想】仮面ライダージオウ 第3・4話「ドクターゲーマー2018」「ノーコンティニュー2016」

次なるレジェンドとの出会いは宝生永夢/仮面ライダーエグゼイド。

1・2話で詰め込みながらもとりあえず一通り地固めはこなしたので、今回からは割と余裕のある話運びだったという印象だ。

(『ビルド』終盤の新世界創造と『ジオウ』その他平成二期の世界がどうなったのかで混乱していた人も多いようで、個人的には特にこんがらがってはいなかったが、それでもやはり理解のしやすさはこの2話の方が格段に上だった)

 

 さてエグゼイド編では「誰もクリアできないゲーム」をプレイしてソウゴの友人が意識不明に陥り、その問題を解決するために伝説の"天才ゲーマーM"を探し出す…という流れで進行したのだが、この導入のスムーズさが良い。

歴史を知っていれば「あーなるほど、それであのライダーと接触するのか!」とすんなり気持ちよくなれる。過去のアレから今のコレへ続いている、という地続き感こそ時間モノの醍醐味である。

Mを発見する切っ掛けにウォズを持ってきたのも上手い。医者が天才ゲーマーという発想に普通至れる人間はいないが、彼のみ未来=答えを知っているためこれまたスムーズな話の進行に一役買っていた。

懐かしの聖都大学附属病院で出会う飛彩先生やナースの台詞から"あの"永夢が無断欠勤しているということで異常事態をさりげなく告げながら、彼の残したヒントが「ドイツ語で書かれたコマンド」という妙なズレ加減が可笑しい。多くのドクターを引き連れて歩く飛彩と言い、歴史改変ならぬP&脚本家の違いの影響がどの辺りに出ているのか見られるのも面白いところである。

そしてゲームエリアに進入しアナザーエグゼイドとの戦い、更に乱入する永夢。

「悪いけど、これ以上はやらせない……」とドスを利かせつつゲーマドライバーを構える姿がどうしてこんなにも恐ろしいのか。頼れる先輩の登場シーンのはずなのに!その上、畳みかけるようにジオウとゲイツに襲い掛かるんじゃない!あんたが魔王か!

そんな彼の真意は、彼なりにアナザーエグゼイドになった人物を止めるためにあえて他者の協力を拒んでいる、という辺りもやっぱり見知った永夢のやり方だった。でもやっぱり伝える努力をしてくれ、怖いから

 

第4話はソウゴがどんな王様を目指しているのか、ゲイツツクヨミは何故オーマジオウと戦い過去へ来たのか、それぞれの"信念"を、患者を救う固い信念を持つ永夢からシフトして描くことに意味がある。譲れない信念を持つ者同士のドラマこそ『エグゼイド』の真骨頂であり、そういう意味では間違いなくエグゼイド編だ。

永夢の動く理由でありアナザーエグゼイドが人々を襲う理由が「難病の息子に適するドナーを何としても探し出すため」、それに対する永夢の提案が「息子さんのそばにいてあげてください」。『トゥルー・エンディング』と同じく患者の心も救う彼の信念通り「子の難病治療には親が近くにいて支えてあげること」がブレておらず、かなり良いポイントだ。

それを知ったソウゴも、自らがいずれ魔王になると言われながら、譲れない信念「世界を全部よくしたい、皆に笑顔でいてほしい」を貫くために王の道を行くことを改めて決意する。

患者に寄り添い救うドクターと、民に寄り添い救う王。二人の信念は交差し、ジオウはエグゼイドの歴史と永夢の信念を継承したエグゼイドアーマーを身に纏う。

整理してみるととても美しく間違いない流れだ。「王様になりたいって言ったら永夢がチベスナアイで睨む」とかいう冗談も塵になって消えるレベルで完璧であった。

 

さて次なるレジェンドライダーはフォーゼ、そして舞台は天高。監督も坂本監督が担当するとのことで、ああわかっていらっしゃると一安心。

……というだけでなく、まさかの乾巧&草加雅人も登場のファイズ編!?

まったく何がどうなるのか読めない「ファイズ&フォーゼ編」。どんなトンデモ展開やクロスオーバーにおける解釈等が飛び出してきてもいいように、心の準備だけはしておきたい。

以下いろんなこじつけ&妄想